弔電の断り方とは?ケース別の対処法と基本マナーを紹介

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大切な人を亡くされたご遺族のなかには、家族葬を検討している方や葬儀にかかる心身の負担を軽減したいと思っている方も多いかもしれません。ごく小規模な式にしたいときは、周囲の方から送られる弔電を辞退したいと考えることもあるでしょう。

弔電は周囲の方からのありがたい心遣いですが、家族葬の場合や弔電に対するお礼を負担に感じる場合には、辞退しても問題ありません。この記事では、弔電の断り方について解説します。

■弔電を断ることは可能?

弔電とは、故人への哀悼の意を表するために、喪主やご遺族宛に送られる電報です。弔電は、葬儀に参列できない方が想いを伝えるために利用することが多く、「断ると失礼にあたるのでは」と考えるご遺族もいることでしょう。

しかし冒頭でも触れたとおり、弔電を断ることは可能です。
そこでまずは、どういった場合に断ることができるのか、詳しく解説します。

◇弔電は断り方に気を付ければ辞退できる
個人や会社といった立場に関係なく、喪主が希望すれば弔電は断れます。その他、香典や供花などの受け取りを辞退することも問題ありません。

ごく限られた家族や友人だけが参列する家族葬の場合や、お礼をすることが心身への負担になる場合は、辞退したほうがよいでしょう。

◇弔電を断られたら、送らないのが原則
電報を手配する側は、もし喪主に弔電を断られたら、電報を送らないことがマナーです。大切な人への弔意を表したいという気持ちはわかりますが、その心遣いがご遺族にとって負担になるおそれもあります。弔電を辞退されたときには、なるべくご遺族の意思を尊重しましょう。

また、人づてに亡くなったことを聞いた場合にも、あえて知らせていない可能性を考えて、弔電を送らないほうが無難です。

どうしても弔意を表したい場合は、葬儀を終えた旨を報告されたあとに一言かけたり、電報や手紙を送ったりして対応することをおすすめします。

■【弔電の断り方】押さえておきたい基本マナーを紹介

喪主は弔電を辞退することが可能ですが、その旨を周囲に伝えるときは断り方に注意が必要です。弔電は故人やご遺族のことを思いやって送られるものであるため、相手の気持ちを汲み取って不快にさせない伝え方を意識しましょう。

ここでは、弔電を断るときに押さえておきたい基本マナーを紹介します。

◇【弔電の断り方】伝えるタイミング
弔電を辞退したいという意思は、訃報連絡や葬儀の参列願いの際に伝えることが一般的です。これは、個人が相手でも企業が相手でも同様です。

会社によっては服務規程で慶弔事への対応を定めていて、関係者が亡くなった際に必ず弔電を送ることをルールとしているケースもあります。そのため、会社にも訃報連絡のタイミングで、弔電を辞退することをしっかりと伝えておきましょう。

◇【弔電の断り方】葬儀へ参列できない方にも配慮する
弔電を贈りたいと考えている方のなかには、葬儀へ参列したくても参列できない方もいることでしょう。故人やご遺族と親しい関係で、どうしても気持ちを伝えたいと考えている方がいる場合、弔電を辞退されることで残念な気持ちになるかもしれません。

そういった方に対して、単に「弔電は辞退します」と一言伝えるだけでは、配慮に欠けていると思われてしまう可能性があります。辞退の旨を伝える際は、ただ断るのではなく、配慮のある断り方をするよう意識しましょう。

◇【弔電の断り方】断る意思をはっきりと伝える
弔電を辞退するときの伝え方によっては、相手に間違った意味でとらえられてしまうことがあるかもしれません。そのため、断るときははっきりと辞退の意思を伝えることが肝心です。

例えば、「お礼ができずに申し訳ないので……」などとあいまいな伝え方をすると、辞退の意思が伝わらずに弔電が届いてしまう可能性があるため、注意しましょう。

■弔電の断り方をケース別に紹介

先述のとおり、弔電を断るときは相手に配慮しつつも、明確に意思を伝えることが大切です。

ここでは、電話・メール・はがきで断る際の文例をそれぞれ紹介します。

◇【弔電の断り方】電話の場合
突然のご連絡、申し訳ございません。
○○の妻の△△と申します。本日の午前8時に夫が死去しました。

葬儀は、生前の夫の遺志を汲み取って家族のみで行います。
そのため、弔電や香典などのご厚志は謹んで辞退申し上げます。
ご迷惑をおかけしますが、何卒ご容赦ください。

□□様には生前夫がお世話になり、本当にありがとうございました。


電話で弔電を断るときは、相手との関係性を踏まえたうえで失礼にあたらないように配慮しつつ、はっきりと辞退を明言することが大切です。辞退する旨が文章として残らないため、一度の連絡でしっかりと意思を伝えましょう。

◇【弔電の断り方】メールの場合
件名:○○死去のお知らせ
本文:
○○の妻の△△と申します
本日の午前8時に夫が死去しました

葬儀につきましては 生前の夫の遺志により家族のみで行います
弔電や香典などのご厚志は 謹んで辞退申し上げますことを何卒ご了承ください

生前に賜りましたご厚意に対し 厚く御礼申し上げます


訃報を知らせるメールの場合、ビジネスメールのように挨拶文を記載する必要はありません。また、「滞りなく葬儀が終えられるように」という意味を込め、句読点を打たないことが一般的です。

◇【弔電の断り方】はがきの場合
夫 ○○儀 以前より病気療養中でございましたが
去る□月□日 □□歳にて永眠いたしました
謹んで通知申し上げます

誠に勝手ながら 故人の遺志に従い 葬儀は◯月◯日に家族のみで執り行いました
ご香典や弔電などのご厚意につきましても 固く辞退申し上げます

本来であればすぐにお知らせすべきところではございましたが
深い哀しみのうちにご通知が遅れましたことをご容赦ください

ここに生前に賜りましたご交誼に対し 厚く御礼申し上げます

令和◯年 ◯月◯日
喪主 △△


はがきの場合も、句読点は打たないことが一般的です。電話やメールと比べて硬い文面で書くことがマナーとなるため、言葉遣いや書き方に注意が必要です。

■断ったものの、弔電が届いた場合の対処法

しっかりと辞退の旨を伝えたとしても、ときには弔電が届くことがあります。届いた弔電に関しては、ありがたく受け取ることがマナーです。どのような理由があっても、送られてきた弔電を送り返したり受取拒否したりしないように気を付けましょう。

弔電が届いた場合は、葬儀が終わってからお礼状を送ります。ただし、この際にお礼の品などを用意する必要はありません。

■弔電の辞退は、断り方に注意しましょう

ご遺族にはさまざまな事情があるため、弔電を断ること自体はまったくマナー違反にはなりません。弔電をもらうことが心身の負担となる場合は、訃報連絡の際などに辞退する旨をはっきりと伝えましょう。

ただし、弔電は相手のご厚意であるため、断り方に注意しなければなりません。弔電を辞退することで相手を残念な気持ちにさせる可能性があることを理解したうえで、配慮のある伝え方をすることが大切です。また、しっかりと断っても弔電が届いた場合は、ありがたく受け取ってお礼をしましょう。

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